なぜ歯周病や虫歯の予防に力を入れているのか、
それは、予防さえ出来ていれば歯を抜いたり削ったりしなくて済むからです。
虫歯で溶けてしまった歯や、歯周病で溶けてしまった顎の骨は、
再生療法などの特殊な治療を行わない限り元には戻りません。
詰めもの・被せもの、インプラントなど、優れた技術や優れた素材は科学と共に発達し続けていますが、
いまだに持って生まれた歯(天然歯)に勝るものはないのです。
予防歯科では、一生ご自分の歯で食事出来るようなお口の環境を作り、育て、守ります。
末永く、おいしいものをご自分の歯で食べて、健康に楽しく暮らしていただきたいと思っています。
「8020(ハチマルニイマル)運動」というものを聞いたことはありますか?
80歳になっても20本以上自分の歯を保とうという、日本歯科医師会が推進している運動です。
20本以上の歯があれば硬い食品でもほぼ満足に噛めるとされています。
歯の先進国と言われるスウェーデンでは既に20本以上が達成され、アメリカ・オーストラリア・オランダでは15本以上(2015年頃に20本達成見込み)となっています。
日本は世界一の長寿国として知られていますが、歯の平均寿命は意外と低く、
日本人の歯は80歳の時点で平均5〜6本しか残っていません。
(日本は、先進国の中ではワースト1,2を争うほど虫歯にかかる割合が多いのです!)
歯の先進国と言われる国々で、高齢になっても多く歯を残している方が多い理由としては、定期的に歯科医院でケアする習慣(定期検診受診率の高さ)が挙げられています。
日本にはない特殊な治療やケアが行われているのではなく、
積極的な予防こそが、お口の健康の維持につながっているのです。
PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)とは、
歯科衛生士が専門的な機械を使って行う歯のクリーニングのことです。
毎日すみずみまで歯を磨いていても、歯ブラシの届きにくい場所や汚れの溜まりやすい場所が出来てしまいます。
これらを専門の機械で徹底的に行うのがPMTCです。
- PMTCの効果
- ・バイオフィルム(日常の歯磨きでは除去できない細菌の固まり)を除去する
→虫歯・歯周病になりにくい環境を作る(口臭の予防にも)
・歯の表面に付いた着色を除去する
・フッ素を塗布することで歯質を強化する
日常の正しいブラッシングと歯科衛生士によるPMTCの両方を行うことが歯周病や虫歯の予防に効果的です。
患者さまと歯科衛生士の二人三脚で、しっかり予防していきましょう!
当院では、歯周病・虫歯を予防するため「歯磨き指導」にも力を入れています。
毎日の歯磨きこそが、予防の第一歩です。
歯ブラシの選び方、歯ブラシを当てる角度や力加減、歯ブラシを当てる場所…
それらがうまくいって初めて「きちんと歯を磨けている状態」となるのです。
磨いているつもりで磨けていない…なんてことにならないように、
適切なブラッシングで歯周病の原因となる歯垢や虫歯の原因菌を落とせるように、当院の歯磨き指導をご利用ください。
お茶の葉っぱや魚介類・海藻に多く含まれるフッ素には、
・歯質の強化(虫歯菌に抵抗性のある物質を形成!)
・再石灰化の促進(歯を溶かす酸への抵抗力UP!)
などの働きがあり、虫歯予防に非常に適しています。
フッ素塗布は、萌出してすぐの歯(生えたての歯)に対して最も有効ですが、成人の方の虫歯予防にも大変効果的です。
とはいえ、汚れの付いた歯面にフッ素を塗っても効果は薄いので、
定期検診や歯のクリーニングなどと併せて、当院の無料フッ素塗布をご利用ください。
※当院では、綿球に塗布液を含ませて歯に軽く押し当てて塗る「綿球法」でフッ素塗布を行っています。